7/23

昨日はライブをした。
ORANGE RANGEのコピバンライブ。

普段は俺だけがボーカルなんだけど
ORANGE RANGEコピーするってことでもう1人ボーカルほしくて
高校の同級生にお願いした。

その友達は割とイケイケのヤツで
お客さんもたくさん呼んでくれた。
イケイケなソイツの、イケイケな友達達。

ライブは多分成功したと思う。
ありがたいことに幾らかの黒字も出たし
ハコ側から「なるべくドリンクを出してくれ」って言われてたんだけど
ドリンクもイケイケ達が沢山飲んでくれたお陰でめちゃくちゃ売り上げ良かったらしい。
シャンパンまで出ちゃったんだぜ。それも2本も。

ライブもすごく楽しかったんだけど
心にモヤモヤが残るというか、100%心から「良い日だったなー」ってなれないでいる。

その理由は全部自分の浅ましさだ。

イケイケなお客さん達も、皆高校の同級生なんだけど
彼等を久しぶりに見たら
自分のイケてなくて、それをコンプレックスに思っていた
惨めな高校時代のあの気持ちがすごく蘇ってしまった。

ありがたいことに最近はあの頃と比べてかなり幸せに過ごしてる。
イケてないままだけど、イケてない事にコンプレックスなんて感じずに
そういうのが無い、穏やかな世界で過ごしているから。

でもあのイケイケ達を見ると、
急に今の幸せなはずの自分さえもが
あの頃みたいに、物凄く惨めに感じてしまった。

イケイケ達は嫌な人達じゃないから
別に俺を虐めたりすることも無く、
邪険に扱うことも無く
なんなら「めっちゃ良いライブだったよー」とか気さくに声をかけてくれる。
多分本当に良い人達なんだと思うし、
だから彼等を批判する気持ちなんて当然あるわけ無いし
そんな気持ち絶対にあっちゃいけないと思う。

整った顔とか、ワイワイはしゃげるノリとかコミュ力とか。

自分が幸せになれば、そんなの全然何も思わないと思ってたんだけど
全然そんなことなかった。

今どんなに幸せであれど、過去の惨めさや敗北感は
付き纏うことは無くなっても、こうしてふとした瞬間にまた自分に襲いかかってくるんだなって思った。

もしかしたら一生こうして
定期的に自分は惨めだなとか思いながら生きなきゃいけないのかなとか思うと
すごく空い。


あと、ライブ後にそのまま打ち上げがてら
DJしながらお菓子パーティをしたんだけど
イケてる人達が中心になって楽しんでくれてたのは良いんだけど、
俺が声かけた、イケてない僕の
イケてない友達達が、端っこの方にかたまってて、いつもほど楽しめていないようだったのが
すごく申し訳なかった。

お客さんとして来てくれた人達が楽しんでくれるのは本当に本望だ。
バズマザーズスクールカーストもたくさん聴いてるから、そういう人達を否定するのは越権だってこともちゃんと分かってる。

それでもやっぱり俺は、
ライブハウスって場所は、イケてない人達が楽しめる場所であってほしい。

それが、イケてる人達が中心になって楽しんでくれてて、
イケてない僕の友達達が隅っこで遠慮気味になってるのを見て
教室の縮図みたいにしてしまったなって
、なんかすごく悲しくなってしまった。
ごめんよ皆、今度イケてない人だけで飯でも行こうぜ。


ここまで心の中。

ここから頭の中。

先にも書いた通り、俺はライブハウスはイケてない人達にこそ楽しんで欲しいと思ってる。
地上では見下される事しかないコンプレックスとかを一切気にする必要なんてなくて、
そういうのから唯一解放されるオアシス的な場所であって欲しい。
だから極論も極論になるけど
そのオアシス的機能を破壊しうる人は、
俺のライブや、企画するイベントには来なくて良いとさえ思ってしまう。
本当に極論ね。


でも現実問題、そんな極論を実行してしまったら、どうなんだろうか。
あくまで資本主義的な価値観の中では
言うまでもなく、
お客さんとしてチケット代を落としてくれる人は多いに越した事は無い。

だから「コイツはオアシス的機能を壊しそうだな」とかでライブにお誘いしないとかは、
現実問題付き纏う金銭面のことだけで考えると、
マジで気の違った人間の考え方だと思う。

そんなことせず、絶対に
イケてる人であろうと、イケてない人であろうと
1人でも多くの人にライブに来てもらえるように尽くすべきだ。

オアシス的な機能を破壊しないような人だけでチケットがソールドアウトするようなバンドなら話は別だけど。


それにドリンクだって、少なくとも今回のイベントに関しては
イケてる人達が沢山飲んでくれたおかげで
沢山ライブハウスにお金が入ってるのも
紛れもない事実だ。

(俺の呼んだイケてない人達は、皆お酒が弱く、基本的にドリンクチケット分だけしかライブハウスで飲み物を飲まない)

 

そう言うことを考えると
やっぱりイケてる人達もライブハウスにいてくれた方が助かる。

ライブハウスで楽しく遊びたいと思いながらライブをしているのに
俺自身が主義的価値観を拭えずにライブハウスで遊んでいるから、
こんなモヤモヤとしてしまうって事は分かってる。

でも俺だけの問題じゃなくて。
俺なんかは趣味でバンドしたりイベント打ってるだけだから
最悪全然赤字が出ても仕事してまた金をコツコツと稼げば良いし、
そもそものそもそもはライブで黒字が出るなんて元々考えてもなかった。

でも、ライブハウスはそうはいかない。
それを仕事としているんだから
どんなに理想的な理念を掲げてたって
今の日本では資本主義から逃れる事は出来ないんだから
俺たちなんかとは比にならないくらい
なるべく沢山のお客さんに来てもらいたいだろうし
なるべく沢山お客さんにお金を落として欲しいはずだ。

演者からのノルマや、ハコのレンタル代が安い良心的なライブハウスは
特に集客については、バンドなんかより真剣に悩んでいるだろうし
そんな良心的なハコを使わせてもらうからには、
なるべく沢山お客さんを呼んで
なるべく沢山お金を落としてもらえるように頑張りたい。

でも、その結果、一番楽しんでほしい人達があまり楽しめなくなってしまうのは
余りにも寂しい。


頭の中ぐるぐるする。

でも、例えば「イケてる人達は入場禁止!」みたいなカルチャーがライブハウス全体に出来たとしよう。
そうしても、きっとライブハウスの中で
新しくカーストが自然発生して
そのライブハウスの中でもまた楽しめない人が出て来てしまうと思う。

こんな事ぐるぐる考えてたらまたこんな時間になっちゃった。
結論出ず。

とりあえず自分の思想の歪み方、気難しさをこんな感じで外に出しちゃう
モラルの低さに乾杯。

色々考えたけど
でもやっぱり大前提として
来てくれた人達への感謝はマジ。本気と書く。